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2025/12/07 09:58
私たちの鴨は、薬やワクチンを一切使わずに育てています。
「それで大丈夫なの?」と思われるかもしれません。でも、私たちが目指しているのは、薬で病気を抑えることではなく、そもそも病気になりにくい体をつくること。そのために大切にしているのが、「環境」と「飼料」です。
山形・最上地方という土地
私たちの農場があるのは、山形県の中でもとりわけ田舎とされる最上地方です。
周囲には豊かな自然が広がり、空気も水も澄んでいます。鴨たちが飲んでいるのは、地下120メートルから汲み上げたミネラル豊富な水。人が飲んでも美味しいと感じるレベルの水を、鴨たちにも与えています。鴨たちもよく飲んでくれます。
ストレスを与えない環境づくり
鴨舎は平飼いで、鴨たちが自由に動き回れる十分な広さを確保しています。
鴨は繊細な生き物です。ちょっとした環境の変化にも敏感に反応します。だからこそ、飼育期間を通じて起伏のない、一定の環境を保つことを意識しています。
ストレスを与えない空間設計にもこだわっています。具体的な方法はここでは控えますが、鴨が落ち着いて過ごせるよう、日々工夫を重ねています。
腸を育てて、鴨を育てる
私たちの飼育の軸にあるのは、「腸を育てる」という考え方です。
腸内環境が整えば、栄養の吸収が良くなり、ストレスへの耐性も上がります。健康な腸が、健康な体をつくる。これは人間と同じです。
飼料は自家配合しています。黒麹、オリゴ糖、もみ殻付きの飼料米など、腸内環境を整える素材を取り入れています。
成長段階によって配合も変えています。ヒナの時期はタンパク質とカロリーが高く、食べやすい飼料を。成長するにつれて、地元の近隣市町村で穫れた飼料米を50%まで加えていきます。
適切な時期に、適切な栄養を届ける。当たり前のようで、これが難しい。でも、この積み重ねが鴨本来の免疫力と生命力を引き出すと信じています。
常にアップデートしている
最後にひとつ、お伝えしておきたいことがあります。
私たちは、現代の科学で判明している知見を積極的に取り入れ、常に検証し、アップデートしています。だから、半年前の記事と今の記事で、言っていることが変わることもあります。
たとえば、以前は「太陽の下で、外で飼育するのが鴨にとって幸せだろう」と思っていました。牧歌的で、自然に近い育て方が良いと信じていたのです。
でも、知見が増すにつれて、わかったことがあります。チェリバレー種のような家禽の鴨にとっては、室内で飼育する方が多くのストレスを軽減できる、と。
考えが変わることを、恥ずかしいとは思いません。むしろ、学び続けている証だと思っています。
これからも、鴨と向き合いながら、より良い飼育を探し続けていきます。





