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2025/05/07 11:53
【この記事でわかること】
- 最上早生と最上鴨という山形が誇る二つの特産品について
- 大蔵村の気候が生み出す蕎麦の秘密と旨味のメカニズム
- 十割・生粉打ち蕎麦が実現できる理由と専門知識
- 手打ちより美味しい機械打ち蕎麦の革新的な製法
- 新庄駅で味わえる唯一無二のローカルフードの魅力
蕎麦だけでうまい。たった一滴のつゆさえ、邪魔になる時がある。
山形新幹線の終着駅・新庄市。ここで味わえるのは、地元で育った十割蕎麦「最上早生」と、私たちの育てる「最上鴨」による、唯一無二のペアリングです。
「十割蕎麦」は"技術と素材"
当店で提供するのは、"十割・生粉打ち(きこうち)"の蕎麦。生粉打ちとは、小麦粉などを一切使わず、水と蕎麦粉だけで打つ技法で、非常に繊細かつ高度な技術が求められます。
ただし、どんな蕎麦粉でも十割で打てるわけではありません。粘りやつながりにくさを乗り越えるには、原料の力が必要なのです。
最上早生──山形が誇る在来品種の蕎麦
「最上早生(もがみわせ)」は、山形県の最上地域に古くから伝わる在来種をもとに、1919年(大正8年)に山形県農業試験場が純系分離した品種です。香りが高く、甘みとコシが強いのが特徴で、つるっとした食感とバランスの良さが魅力。また、蕎麦を打つと鮮やかな緑色が際立ち、見た目にも美しい蕎麦となります。
大蔵村の高原が育む、奇跡の蕎麦
私の父と兄は、大蔵村の標高の高い畑で蕎麦を栽培しています。大蔵村は冷涼な気候と昼夜の寒暖差に恵まれた、全国屈指の蕎麦の名産地。なかでも「最上早生」は、短期間で成熟し、香り高く味に深みのある蕎麦粉を生み出します。
特に、10月頃の朝晩の冷え込みが蕎麦の実に奇跡を起こします。この季節の寒暖差により植物は自らを守るために、でんぷんを糖に変換して細胞内の凍結を防ごうとするのです。科学的には「低温ストレス応答」や「可溶性糖の蓄積」と呼ばれるこの現象が、驚くほど甘みのある蕎麦を生み出します。
一方で蕎麦の実は非常に落ちやすく、収穫期になると早朝から夜遅くまで刈り取り作業が続きます。1日遅れると実が落ちて収穫量が激減する――そんな緊張感のなかでの農作業なのです。
機械打ち蕎麦の可能性──"手打ちより美味い"という選択
「鴨料理と十割蕎麦 かもん 新庄駅本店」では、現在は専用の製麺機で蕎麦を打っています。
もともとは手打ちで蕎麦を提供していましたが、試行錯誤の末に”機械打ちの方が美味しい"という結論に至りました。大事なのは、「どう打つか」より「どう劣化させないか」だったのです。
機械打ちの特長
* 加水が早い:十割蕎麦は加水が命。一気に均一な水分量にすることで、まとまりの良い生地に。
* 練りが早い:水回し後、素早く団子状にまとめ、粉の劣化を防ぎます。
* 製めん線が早い:1食あたり5秒で美しい角が立った"そば線"が完成。
* 釜が汚れない:打ち粉を使わないため、蕎麦釜が汚れず、ガス代と水の節約にも。
特に私がこだわっているのは、「蕎麦を切ったまま置かない」という点。蕎麦は打った瞬間から香りが飛び始め、時間とともに味も落ちてしまいます。
挽きたて・打ちたて・茹でたて。この三立がそばの基本。機械打ちによって、その理想により近づけるようになりました。結果的に、以前よりも安定して美味しい蕎麦を提供できるようになり、お客様の評判も向上しています。
店舗情報:十割蕎麦と鴨料理 かもん 新庄駅本店
お客様の声
* 「出汁の香りが立っていて、鴨肉との相性が抜群でした。旅の疲れが吹き飛ぶ一杯でした!」
* 「つゆの奥深さと鴨の脂が絶妙。新庄に来たら毎回寄ります。」
* 「駅中とは思えないレベルのクオリティ。ランチタイムは並んででも食べたい。」
* 「冷たい蕎麦のコシがしっかりしていて感動。お土産で鴨肉も買いました。」
* 「地元民ですが、ここの鴨そばは一味違う。知人にも勧めたくなる味です。」
基本情報
* 住所:山形県新庄市多門町1-1(JR新庄駅1階)
* 電話番号:0233-77-4580
* 営業時間:10:30〜14:30
* 定休日:主に火・水
* 席数:30席(カウンター席あり)
* 支払い方法:現金、PayPay、SuicaなどIC決済対応
* 駐車場:あり
* 公式Instagram:https://www.instagram.com/camo.on.shinjo/
* Google Map:
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