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2025/04/02 11:23

タンパク質含有量

最上鴨(チェリバレー鴨)の鴨肉とブロイラー種の鶏肉はいずれも良質なタンパク源ですが、鶏肉の方がタンパク質含有量はやや高めです。100gあたりのタンパク質は、鴨肉(皮付きロースト)で約19g、鶏肉(皮付きロースト)で約25〜27gとされています。どちらも必須アミノ酸をバランスよく含んでおり、吸収効率の高い高品質な動物性タンパク質として優れています。


脂質の種類と量(飽和脂肪酸・不飽和脂肪酸)

最上鴨(チェリバレー鴨)は脂質の含有量が多く、特に皮下脂肪に富んでいます。100gあたりの総脂質は鶏肉より約68%多く、鴨肉は脂質約26g、鶏肉は約15gとされます。ただし鴨肉の脂質のうち、約65%が不飽和脂肪酸で構成されており、そのうち49%が一価不飽和脂肪酸(主にオレイン酸)です。

鴨脂肪100gあたりの脂肪酸比率は、飽和脂肪酸:9.7g(37%)で鶏脂肪の約2.5倍、一価不飽和脂肪酸:12.7g(49%)で鶏の約2.2倍、多価不飽和脂肪酸:3.8g(14%)で鶏の約1.2倍に相当します。一方、鶏脂肪は飽和脂肪酸:3.8g(31%)、一価不飽和脂肪酸:5.7g(44%)、多価不飽和脂肪酸:3.2g(25%)とされています。

オレイン酸のような一価不飽和脂肪酸は、悪玉コレステロール(LDL)を下げ、善玉コレステロール(HDL)を保つ働きがあり、動脈硬化や心疾患の予防に寄与します。オレイン酸はまた腸内環境を整える作用や抗炎症作用も報告されており、鴨脂はオリーブオイルに近い健康的な脂として位置付けられています。


ビタミン含有量

最上鴨(チェリバレー鴨)はビタミン類の含有量でブロイラー鶏を上回る項目が多く、特にビタミンB1(チアミン)は鶏肉の約3倍、ビタミンB2(リボフラビン)も多く含まれています。また、脂溶性ビタミンのビタミンA・E・Kも高く、さらにビタミンDが含まれているのは大きな特長です(鶏肉にはほとんど含まれません)。

一方、ビタミンB3(ナイアシン)およびB6に関しては鶏肉の方が約2倍程度多く含まれます。ビタミンB5・B12はほぼ同量、ビタミンCはどちらも微量です。


ミネラル含有量

鉄分と銅において、最上鴨(チェリバレー鴨)は顕著な優位性を持っています。100gあたりの鉄分は鴨肉で約2.7mg、鶏肉で約1.2mg〜2.2mgとされ、鴨肉の方が高い傾向にあります。銅の含有量も鴨の方が多く、鉄の吸収効率を高める要素として働きます。

鴨肉はミオグロビン含有量も高く、赤身肉に近い色と栄養的性質を持ちます。ナトリウム(塩分)も鶏肉より少なく、高血圧が気になる方にとっても安心です。

一方、セレン、マグネシウム、リン、カルシウムなどは鶏肉の方がやや多い傾向にあります。カリウム、亜鉛、マンガンはほぼ同等量が含まれています。


カロリー(エネルギー量)

鴨肉(皮付きロースト)は100gあたり約337kcal、鶏肉(皮付きロースト)は約250kcalです。脂質の多さに比例して、鴨肉の方が約1.3〜1.4倍のカロリーがありますが、皮を取り除くことで大幅に脂質とカロリーをカットできます。

皮なし鴨胸肉は脂質約2g、約140kcalで、皮なし鶏胸肉(約3g脂質、165kcal)よりも低脂肪・低カロリーであるケースもあり、調理方法により健康的な食材として活用できます。


その他の栄養上の優位性

  • 不飽和脂肪酸の多さとバランス:オレイン酸に富み、脂質の質が高く健康効果が期待できる

  • ヘム鉄の供給源:吸収率が高く、貧血予防や疲労回復に有効

  • ビタミンDを含む希少な家禽肉:骨の健康や免疫機能に関与

  • コレステロール・塩分が比較的低め:健康志向の方にも適している



まとめ: 最上鴨(チェリバレー鴨)の鴨肉は、脂質やカロリーがやや高めな反面、良質な脂質・豊富なビタミン・ミネラル、そして調理の工夫次第で健康的に楽しめるという強みを持っています。鶏肉と比べても、栄養的な優位性が多く、赤身肉に近い栄養バランスを持つ「ヘルシーで美味しい家禽肉」として、高く評価されています。


最上鴨の取り組みとさらなる進化

私たちが育てる「最上鴨」では、2024年より鴨の健康を内側から支える「腸活」に注目した飼育改善を進めています。具体的には、黒麹やオリゴ糖、籾殻付きの飼料米、さらに軟質多孔性の古代海洋腐植質といった素材を鴨の餌に加え、腸内の善玉菌の活性を高める取り組みを行ってきました。

黒麹に含まれる有機酸や酵素は腸内環境を整え、飼料の消化吸収を助けることで栄養素の利用効率を高めます。オリゴ糖は善玉菌のエサとなり、腸内フローラのバランス改善に寄与。籾殻付きの飼料米は天然の食物繊維として働き、腸内の不要物を排出しながら代謝をサポートします。そして軟質多孔性古代海洋腐植質は、微量ミネラルの供給とともに腸内の吸収環境をさらに整える役割を担っています。

これらの総合的な取り組みによって、鴨の体調は安定し、肉質にも明確な変化が現れています。特に脂肪の融点が下がり、口どけの良い脂へと進化。甘みやコクがより引き立つとともに、消化吸収にも優しい肉質に仕上がっています。

これは単なる味の向上にとどまらず、「健康的な美味しさ」を実現する、最上鴨ならではの特長です。自然と調和しながら育てた鴨の力を、ぜひ多くの方に味わっていただきたいと思います。


鴨は美容に、鶏はパワーに。
どちらも体にうれしい栄養が詰まった、頼れる存在です。
気分や体調に合わせて、美味しく取り入れてみてくださいね!